運動療法について
■運動療法について
運動療法は食後の血糖値上昇を抑えるもしくは血糖値を下げるだけではなく、筋力がアップすることでインスリン感受性が改善し少ないインスリンで効率的に血糖値が下がりやすくなり、また基礎代謝もアップしカロリー消費が増加します。もちろん血圧やコレステロールの改善も大いに期待できます。継続した運動が非常に効果的で2日の間をあけないことが推奨されていますので、週3-4回の運動が望まれます。
よく運動療法と言うと散歩が勧められます。1人で、いつでもでき、必要な物品が少ないので非常にオススメです。出張先や旅行先でも可能です。なるべく底の厚い靴を選んで、膝・腰などへの負担を軽減して行うと良いです。芝生や土の上などを歩く事も負担軽減につながります。仕事などで多く歩かれる方は万歩計を使用し、最終的には10000歩を目標にしましょう。仕事で10000歩歩かなかった日には不足分を散歩などで補うと良いと思います。
とはいえ実際に散歩のためだけに時間を作るのはなかなか大変です。スーパーに買い物に行く際に、徒歩・自転車を利用する、なるべく遠目の駐車場に車を停める、1周目は商品と値段を見て2周目に買う物を取るなど工夫次第で日常生活に運動を取り込めます。バスをよく利用される方は一区間分だけ歩くのも良いと思います。患者さん達のお話を伺うと、暑い日・寒い日・雨の日などが運動療法の途絶えるきっかけになっていそうです。寒い日には暖かく、暑い日には涼しく調整してくれていますので、ショッピングモールでウィンドウショッピングされるのもオススメです。ジムやプールの利用も当然良いと思います。外に出るのが億劫(おっくう)な方には室内で行えるエアロバイクやルームランナーを始めとした器具を用いた運動も天候に左右されず効果的です。テレビや音楽を楽しみながら利用してみてはいかがでしょうか。乗馬しているように揺れた機械の上に座るだけの器具でも糖尿病が改善したとのデータもありますので、あまりオススメする訳ではありませんが、取り入れてみても良いかもしれません。
いずれにしても、最初からの無理な運動は長続きしませんので、個々の生活スタイル・リズム・趣味・好みに合わせて、少ない運動量からストレスがより少なく始められることをお勧めします。何しろ継続することが大事です。