栄養相談について
「体は食べたもので出来ている」と考えたことはありますか。
毎日3回食べていると1年間で1095回。これだけの回数がありますから、食事の仕方は体に大きく影響してきます。特に生活習慣病は毎日の食習慣、つまり食べ方のクセが大きく関係しているので、食事を見直すことでいくつかの症状が一度によくなることがあります。
毎日の食事を見直すと
① 健康な方は病気を予防する。
② 気になるところがある方は病気を入口で止める
③ 長い病気の方もこれ以上悪化させない
といった、その方その方での効果があります。
当院では、管理栄養士による個別の栄養相談を行っております。
(初回30分程度、継続回数や間隔は相談して決めます。)
お一人暮らしの方、交代勤務の方、外食が中心の方、家族の食事に合わせる必要がある方など、様々な生活スタイルに応じた食事を提案させて頂きます。方法は一つではありませんので、取り組みやすい方法を一緒に探していけたらと思います。
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単身生活で三交代勤務をされている方の栄養相談をしました。前の病院では食品交換表を使った糖尿病の食事指導を受けたことがあったそうですが、実践する気にもならなかったそうです。この方は食事準備の煩わしさから菓子類とお酒が多く、食事はごく簡単に済ませていました。そこで菓子類を控えて、買ってくる弁当やお総菜の種類を具体的にアドバイスしたところ、どんどんよくなってきました。
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娘さんとともに栄養相談に来てくださった方もいます。ご家族が不在の日中、ご自身で菓子パンなどを食べていたようです。よくよくお話をお伺いすると、忙しい娘さんに負担をかけなくないというお気持ちがあり、簡単にすませていたつもりが血糖値を上げてしまうものを食べていたのです。同席していた娘さんとも相談し、昼食に宅配食を利用したところ、この方の場合は糖尿病の数値が1ヶ月で改善しました。
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奥さんを亡くされて食事に困っている方もいました。糖尿病の数値が悪化して入院し、退院後は病院で勧められた冷凍の宅配食を食べていました。「冷凍の宅配食を食べていれば数値はいいのだが、飽きてくる」というのが悩みでした。そこで冷凍宅配食を使いながら、昼食はご自身で用意するお手伝いをさせて頂きました。血液検査の結果を確認しながら、こういう食べ方をすると血糖値が高くなるね、こういう食事は低くなるね、と振り返りを続けていくうちに、食事の幅が広がり、ご自身で買い物に行って選ぶことも楽しくなってきたそうです。
糖尿病以外に高血圧症、脂質異常症、肥満症なども食事を見直すことで改善されます。体重が増えてしまうと心配されていた方のお話を伺ってみると、いつの間にか生活が変わり、体重増加につながる食品が増えている場合もあります。食習慣は自分自身では気づかないことも多いものです。
問題点が早く分かった場合や、効果がはっきりあらわれた場合は、何度も栄養相談する必要はありません。反対に、話をすることでやる気が出る、安心する、との理由で継続を希望される方もいらっしゃいます。栄養相談の頻度はその都度相談して決めます。
食事は毎日のことですから、我慢では長続きはしません。食事が苦痛になると味気ない生活になってしまう可能性もあります。食事を楽しみ、毎日を生き生きと過ごせるように、栄養相談でお手伝いができたらいいと思っています。
「これは食べてもいい?」「聞きたいことがあるんだけど」といったことでかまいませんので、お気軽にお声掛け下さい。
オリーブ通信は患者さんとの語らいから、日々の食生活に役立ちそうなテーマを選んで発行しています。そちらもぜひご覧ください。